保管状態が良いソニーIC11 こう言う個体は です

ソニーが69年に初めてICを使ったモデルとして売り出した3バンドラジオです。 定価はACアダプターと革ケース付きで￥14800。当時は大卒の初任給が７万円位でしたから、今の価値に直せばこのモデルは5万円位の感覚だった筈で、簡単に手が出せる価格では無かった筈です。 しかし、同時期に￥15500で発売されたナショナルワールドボーイGXと共に売れまくり、ラジオブームの様な旋風を巻き起こしました。 あれから55年以上も経ってしまい、このラジオを持っていた、あるいはこのラジオに憧れた世代も、60後半から70台に入っているかと思います。 その間ラジオのみならず、オーディオ機器は目覚ましい進歩を遂げ、今やこのモデルのスペックを持つラジオは掃いて捨てる程あるでしょう。 ではこのラジオの今の魅力はと言えば、小生としては、その卓抜なデザインを挙げます。発売当時もそうでしたが、このラジオの端正な佇まいは、今でもラジオのお手本だと思います。 このモデルは比較的耐久性が低く、同時期のワールドボーイとは大差があります。従って今残っている物の良し悪しは保管状態に大きく依存しています。 湿気が高く、埃が多い所ですと、内部が腐食して、最悪素子も使えないものもあります。その意味でこの個体は初期状態が非常に良かった感じです。 もちろん、各部の接触不良や、埃の侵入などはあり、各々対処済ですが、素子の破損、性能低下は一に保管状態に掛かっており、この個体はその観点から非常に良かった様です。 アンテナ含めて代替品は無く、電池室も綺麗です。感度、音にも問題はありませんが、スピーカーの定格が0.8Wなのに出力は1.1Wあり、当然ボリュームを回せば歪みが出ます。但し、これは故障ではなくありません。 革ケース、オリジナルではありませんが、ACアダプターはおつけします。 ここからは爺いの独り言 良いラジオですがいまだに思い入れがあります。枕元にこのラジオを置いて毎日聴いていました。懐かしいなあ。